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林業に向いている人の7つの特徴・向いていない人の7つの特徴

林業は、日本の国土の約7割を占める森林を管理し、木材を生産する重要な産業ですが、近年では従事者の高齢化や後継者不足が問題となっており、そんな中、林業に興味を持つ人も増えてきてはいますが、実際に向いているかどうかを見極めることはとても大切です。

林業に向いていない人の特徴と向いている人の特徴を、それぞれ7つずつ詳しく解説しますので、アナタの適性を判断する参考にしてください。

屋外作業が苦手な人は林業に向いていない

林業の仕事は、その大部分が屋外で行われ、山や森の中での作業が中心となるため、屋外での活動が苦手な人にとっては大きな障壁となります。

夏は蒸し暑く、冬は寒さが厳しい山中での作業は、体力的にも精神的にも大きな負担がかかり、また、雨や雪などの天候の影響を直接受けることも多く、快適な環境とは言えません。

屋内での仕事に慣れている人や、虫や汚れを極端に嫌う人は、林業の日常的な作業環境にストレスを感じる可能性が高いため、屋外作業に抵抗がある人は、林業には向いていないと思います。

体力に自信がない人は林業での活躍が難しい

林業は、非常に体力を必要とする仕事で、重い機械や道具を扱うことが多く、また急斜面や不整地での移動も日常的に行ったりしますが、チェーンソーを使って木を伐採する作業では、長時間にわたって振動や重量に耐える必要があり、伐採した木を運搬する際にも、相当な力仕事が求められます。

山中での長時間の歩行や、時には重い荷物を背負っての移動など、全身を使った作業が続くため、体力に自信がない人や、長時間の肉体労働に耐えられない人にとっては、非常にハードな仕事となります。

林業では、日々の作業をこなすための基礎体力が必要不可欠で、体力に不安がある場合、作業効率が落ちるだけでなく、安全面でのリスクも高まるため、体力に自信がない人は、林業での活躍が難しいといえます。

危険を顧みず安全意識が低い人は林業に不向き

林業は、最も危険な職業の一つとされており、大型の機械を扱う作業や、高所での作業、重量物の運搬など、常に事故のリスクと隣り合わせなのですが、チェーンソーを使用する伐採作業は特に危険で、わずかな不注意が重大な事故につながる可能性があり、伐採した木が予想外の方向に倒れてくることもあるため、常に周囲の状況を把握し、安全に気を配る必要がある作業なのです。

さらに、急斜面での作業や、不安定な足場での移動など、転倒や滑落のリスクも高い環境のため、安全意識が低く、危険を顧みずに行動する人は、林業には極めて不向きで、常に安全を最優先に考え、適切な防護具の着用や、安全手順の厳守を心がける必要があり、自身の安全だけでなく、周囲の作業者の安全も考慮に入れる必要があります。

危険を軽視したり、安全規則を無視したりする傾向がある人は、自身や他の作業者を危険にさらす可能性が高いため、林業という職業は選択しないほうがよいと思います。

自然環境の変化に適応できない人は林業で苦労する

林業の現場である森林は、季節や天候によって刻々と変化する自然環境のため、この変化に柔軟に対応できることが、林業を長く続けられる重要な要素の一つだと思います。

雨天時には地面が滑りやすくなり、作業の難度が上がり、強風時には木の伐採方向の予測が難しくなるなど、天候の変化が作業に大きく影響します。

季節の移り変わりでも様々な影響があり、夏場だと猛暑に耐えて作業が必要ですし、冬場だとの厳しい寒さに耐える必要があるのです。

こうした自然環境の変化に適応できない人は、作業効率が著しく低下して、ストレスを感じたりしますから林業に向いていないと思います。

変化する環境に対応できないことで、安全面でのリスクも高まるため、自然環境の変化を受け入れ、それに応じて作業計画や方法を柔軟に変更できる適応力が、林業では求められますからこの適応力に欠ける人は、林業の仕事で大きな苦労を強いられることになるかもしれません。

チームワークを軽視する人は林業で働くのは難しい

林業の多くの作業は、チームで行われ大規模な伐採作業や木材の運搬などは、複数の作業者が協力して行う必要があるため、チームワークを軽視する人は、林業での成功が難しいと思います。

木を伐採する際には、伐採を行う人、周囲の安全を確認する人、伐採後の処理を行う人など、役割分担が必要で、それぞれが自分の役割を理解し、協力して作業を進めることが重要なんです。

危険を伴う作業が多いため、お互いの安全を確認し合うことも大切とされ、自分だけでなく、チームメンバー全体の安全を考える意識が求められ、さらに、林業の現場では予期せぬ事態も多く発生するので、そのような状況下でも、冷静にコミュニケーションを取り、チームで問題解決にあたる能力が必要になってきます。

個人主義が強すぎたり、他人と協力することを嫌う人は、このようなチームワークを重視する環境になじめず、結果として仕事の効率や安全性が低下してしまいます。

林業では、一人ひとりの技術や知識も重要ですが、それ以上にチームとしての総合力が求められるので、チームワークを軽視する人は、林業という職業での成功は難しいと思われます。

短期的な成果にこだわる人は林業に向いていない

林業は、非常に長期的な視野が必要な仕事であり、木の成長には数十年という時間がかかり、植林から伐採までの過程は一世代以上に及ぶことも多いため、短期的な成果にこだわる人は林業の仕事に向いておらず、目の前の利益や成果だけを追い求めると、持続可能な森林管理が困難になってしまいます。

短期的な利益を追求するあまり、若い木を早めに伐採してしまうと、将来的には良質な木材が得られなくなり、植林後の手入れを怠ると、数十年後に良好な森林が形成されません。

林業では、現在の作業が何十年も先の未来に影響を与えることを常に意識する必要があり、今行っている作業が将来どのような結果をもたらすのかを想像し、長期的な計画を立てる能力が求められるため、短期的な成果や利益にこだわる人は、このような長期的な視点を持てず、結果として持続可能な林業経営を行うことは難しいのです。

林業は次世代のためにも健全な森林を育てていく責任がある仕事ですので、短期的な成果にこだわると、この責任を全うできなくなるわけなのです。

機械操作に強い苦手意識がある人は林業で壁にぶつかる

現代の林業では、様々な専門機械が使用されており、チェーンソーや刈払機といった手持ちの機械から、林業用トラクターやタワーヤーダといった大型機械まで、幅広い機械を適切に操作する能力が求められるため、機械操作に強い苦手意識がある人は、林業の仕事で大きな壁にぶつかると思います。

チェーンソーの操作は林業の基本的なスキルの一つですが、この機械は非常に危険で、適切な操作技術と安全意識が必要不可欠ですから、チェーンソーの扱いに苦手意識がある人は、伐採作業そのものができなくなってしまいます。

大型の機械を使用する集材作業では、複雑な操作が要求され、タワーヤーダやグラップルなどの機械は、高度な操作技術が必要で、これらの操作に苦手意識がある人は、効率的な作業を行うこともできないわけです。

近年では、情報通信技術を活用したスマート林業も進んでおり、ドローンやGPS機器などの最新技術を使いこなす能力も、今後ますます重要になってくると思われますが、機械操作に強い苦手意識がある人は、これらの技術を習得することに大きな困難を感じ、結果として仕事の幅が狭まってしまいます。

林業の現場では、常に新しい機械や技術が導入されており、それらに柔軟に対応できる能力が求められるので、機械操作に対する苦手意識を克服する意欲がない人は、林業という職業で壁にぶつかる可能性が高いといえます。

アウトドア活動を楽しめる人は林業に向いている

林業は、その仕事の大半が屋外で行われるため、アウトドア活動を心から楽しめる人は、林業に向いていると思います。

森林の中で働くことは、四季の移り変わりを肌で感じ、多様な植物や動物と共存しながら仕事をすることができるわけなので、このような環境を楽しめる人にとっては、林業は非常に魅力的な職業で、早朝の森の空気を吸いながら作業を始めることや、昼休みに森の中で食事をとることなど、都会では体験できない自然との触れ合いを日常的に楽しむことができます。

また、林業の仕事には、登山や野外活動で培われるスキルが活かされ、地形を読む力、天候の変化を予測する能力、自然の中での安全管理など、アウトドア活動の経験が直接的に役立ち、体力的にハードな仕事ですが、それを自然の中での活動として楽しめる人にとっては、林業はとてもいい仕事だと思います。

アウトドア活動を楽しめる人は、林業の仕事環境にストレスを感じにくく、むしろそれを楽しみながら仕事に打ち込むことができるので、自然の中で働くことを喜びと感じられる人こそ、林業に適していると言えます。

体力に自信がある人は林業で活躍できる

林業は、非常に体力を必要とする仕事で、体力に自信がある人は林業で大いに活躍できますが、林業の仕事には重い機械や道具を扱う力仕事が多く含まれるので、チェーンソーを長時間操作したり、伐採した木を運搬したりする作業は、かなりの筋力と持久力を必要とします。

急斜面や不整地での移動も日常的に行い、時には重い荷物を背負いながら山を登ることもあり、このような作業を一日中続けるためには、相当な体力が必要とされます。

天候に関わらず屋外で作業を行うため、暑さや寒さに耐える体力も求められ、夏の暑い日差しの下での作業や、冬の寒い日の作業など、厳しい環境下でも体力を維持できることが重要です。

体力に自信がある人は、これらの肉体労働を効率的にこなすことができるため、作業のスピードや質が向上し、結果として高い生産性を発揮することが可能で、体力があることで長時間の作業にも耐えられ、疲労による事故のリスクも低減できるため、安全面でも、体力のある人は有利と言えます。

安全第一で慎重に作業できる人は林業に適している

林業は非常に危険を伴う仕事のため、安全第一で慎重に作業できる人は林業に適していますが、林業の現場では常に事故のリスクと隣り合わせであると言われており、大型の機械を扱う作業、高所での作業、重量物の運搬など、一つ一つの作業に危険があるわけですが、とりわけチェーンソーを使用する伐採作業は、最も危険な作業の一つになっています。

安全第一で慎重に作業できる人は、これらのリスクを十分に理解し、常に安全対策を心がけており、適切な防護具の着用、作業前の安全確認、天候や地形に応じた作業計画の立案など、細心の注意を払って作業に臨むことが備わっていますから林業には向いていると思います。

自分自身の安全だけでなく、周囲の作業者の安全にも気を配りができる人でなければ林業はつとまらず、チーム作業が多い林業では、安全第一主義の考えと行動は、非常に重要なのです。

安全第一の姿勢は長期的な視点でも重要で、安全に配慮した作業は、事故を防ぐだけでなく、持続可能な林業経営にもつながり、無理のない作業計画や、適切な休憩の取り方なども、安全意識の高い人の強みである一方で、慎重さも作業の質に良い影響を与えます。

木の伐採方向を慎重に見極める際に、周囲の木々への被害を最小限に抑えることが重要になったり、植林作業においては一つ一つの苗木を丁寧に植えることで、将来的に健全な森林の育成につながりますので、安全第一で慎重に作業できる人は、自身の安全を守るだけでなく、周囲の作業者の安全も確保し、結果として林業全体の質の向上に貢献することができるので、林業という危険を伴う職業に非常に適していると言えます。

自然環境の変化に柔軟に対応できる人は林業に向いている

林業の現場である森林は、季節や天候によって変化する自然環境のため、自然環境の変化に柔軟に対応できる人は林業に向いています。

四季の移り変わりによって作業環境が大きく変化しますので、春の新芽の時期、夏の猛暑、秋の紅葉、冬の積雪など、それぞれの季節に応じた作業方法や安全対策が必要で、夏場の猛暑時には熱中症対策を徹底し、冬場の積雪時には転倒防止に注意を払うなど、季節ごとの対応が求められます。

天候の変化にも柔軟に対応する必要があり、突然の雨や強風は、作業の安全性や効率に大きな影響を与えるので、天候の変化を予測し、それに応じて作業計画を変更できる能力が求められるのです。

さらに、長期的な環境変化にも対応する必要があり、気候変動による森林への影響や、新たな病害虫の発生など、これまでにない環境変化に直面する場合にも、これらの変化に対して、柔軟に新しい対策を考え、実行できる能力が重要なのです。

自然環境の変化に柔軟に対応できる人は、変化する環境の中で最適な作業方法を見出し、効率的かつ安全に作業を進めることができます。

この柔軟性は問題解決能力にもつながり、予期せぬ事態が発生しても、冷静に状況を分析し、適切な対応策を講じることができるため、自然環境の変化に柔軟に対応できる人は、変化を恐れずに前向きに仕事に取り組むことができる人だと思います。

チームワークを大切にする人は林業で成功しやすい

林業の多くの作業はチームで行われるため、チームワークを大切にする人は林業で成功しやすく、林業の現場では、様々な役割を持つ人々が協力して作業を進めおり、木の伐採作業では、チェーンソーで木を切る人、周囲の安全を確認する人、伐採後の処理を行う人など、それぞれが専門的な役割を担うため、チームワークを大切にする人は、自分の役割を理解し責任を持って遂行すると同時に、他のメンバーの役割も尊重し、サポートすることができるので、この姿勢は作業の効率と安全性を高めるのに大きく貢献します。

また、林業の現場では予期せぬ事態も多く発生しますが、天候の急変や機械のトラブルなどの状況下でも、チームワークを重視する人は冷静にコミュニケーションを取り、問題解決に向けて協力することができますから、林業には向いていると思います。

チームワークを大切にする人は、知識や技術の共有にも積極的で、経験豊富な先輩から若手への技術伝承や、新しい情報の共有など、チーム全体のスキルアップに貢献すると思います。

林業では、安全面でもチームワークが重要とされ、お互いの安全を確認し合い、危険な状況を察知したら即座に共有するなど、チーム全体で安全を確保する意識が必要で、チームワークを大切にする人は、この安全文化の醸成にも意識が高いのです。

長期的な視野を持って計画を立てられる人は林業に適している

林業は、非常に長期的な視野が必要な仕事で、木の成長には数十年という時間がかかり、植林から伐採までの過程は一世代以上に及ぶことも珍しくないため、長期的な視野を持って計画を立てられる人は林業に適していると思います。

また、間伐や枝打ちなどの森林整備作業においても、長期的な視点が重要で、これらの作業は、すぐに利益に結びつかないのですが、将来的に良質な木材を生産するために不可欠な作業なのです。

森林管理も、長期的な視点が必要で木材生産だけでなく、水源涵養、生物多様性の保全、地球温暖化の防止など、森林事業が持つ様々な側面を長期的に維持・向上させていく必要があるため、持続可能な森林経営の計画を立てることが重要になってきます。

気候変動や社会情勢の変化など、将来起こりうる変化も予測しながら計画を立てなければならず、将来的なリスクに対しても適切に備えることが長期的な視野を持つ人は、できるのだと思います。

林業は、次世代のためにも健全な森林を育てていく責任がある仕事ですので、長期的な視野を持って計画を立てられる人は、この重要な責任を全うすることができ、林業という職業に非常に適していると思います。

機械操作に興味がある人は林業で能力を発揮できる

現代の林業では、様々な専門機械が使用されているため、機械操作に興味がある人は、林業で大いに能力を発揮できるのではずなのです。

林業で使用される機械はいろいろとありますが、最も基本的なものとしては、チェーンソーや刈払機などの手持ち機械で、これらの基本的な機械の操作技術を迅速に習得し、効率的かつ安全に作業を行うことが求められるのです。

大型の専門機械も多く、伐採した木を運搬するフォワーダや、急斜面でも作業可能な林業用クローラなど、高度な操作技術が要求されますが、機械操作に興味がある人にとっては、やりがいのある仕事になると思います。

高性能林業機械と呼ばれる最新の機械も導入されつつあり、例えば、木を伐採し、枝払い、玉切りまでを一台で行うハーベスタや、ケーブルを使って木材を運搬するタワーヤーダなどで、これらの機械は、従来の作業を大幅に効率化する一方で、複雑な操作が必要で機械操作に興味がある人は、これらの最新機械の操作にも積極的に取り組み、林業の生産性向上に貢献することができると思います。

さらに、近年では情報通信技術を活用したスマート林業も進んでおり、ドローンを使用した森林調査や、GPS技術を活用した高精度な森林計測などの、新しい技術が次々と導入されています。

林野庁の森林整備部研究指導課は、このスマート林業を推進するためにスマート林業オンライン講座もHPで公開していますから、興味がある方はご参考ください

これからの林業では、人間の技術と機械の力が組み合わさることで、効率的かつ持続可能な森林管理が実現するので、機械操作に興味がある人は、この重要な役割を担い、林業で大いに能力を発揮できるのではないでしょうか。

まとめ:自己分析を通じて林業との相性を見極める

林業に向いていない特徴として挙げたのは、屋外作業が苦手、体力に自信がない、安全意識が低い、自然環境の変化に適応できない、チームワークを軽視する、短期的な成果にこだわる、機械操作に強い苦手意識があるという点でしたが、一方で、林業に向いている人の特徴としては、アウトドア活動を楽しめる、体力に自信がある、安全第一で慎重に作業できる、自然環境の変化に柔軟に対応できる、チームワークを大切にする、長期的な視野を持って計画を立てられる、機械操作に興味があるという点を挙げました。

林業に興味を持ったのであれば、実際に現場を見学したり、林業関係者の話を聞いたりすることがおすすめで、実際の現場の雰囲気や、そこで働く人々の声を直接感じることで、アナタと林業との相性をより具体的に判断することができます。

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